解決事例(相続)

解決事例(相続)9:知らない間に母が養子縁組をした

解決事例(相続)

■依頼主 50代 男性

■相談内容
知らない間に,母が以前養子縁組を解消した相手を再び養子縁組にしていた。自分は母の唯一の法定相続人であり,母も90歳に近いし,このまま母が亡くなって相続が開始すればその相手も相続人になってしまう。
再度の養子縁組がなされた当時,母の判断能力はほぼなかったと思われるし,今,母に聞いてもよく覚えていない。相手が母親に働きかけ,何らかの書面にサインする際に一緒に養子縁組届にサインをさせたかもしれない。
その相手に相続させることは母の本意ではないと思うし,この養子縁組は無効にならないか。

■結果
養子縁組無効確認訴訟を行った結果,裁判所で養子縁組無効が確認された。

■コメント
当事者間に養子縁組の意思がなければ,養子縁組は無効になります。とはいえ,離縁届に本人のサインが一応あって,本人の当時の記憶も曖昧だと,養子縁組の意思がなかったかどうか立証するのはなかなか大変かと思います。
ただ,本件では当時から母親を診ていた医師の協力も得られそうなこと,また母親と相手が過去に養子縁組をしていたものの,その後養子縁組を解消していた事情があったこと等から訴訟に踏み切ることにしました。
なお,養子縁組無効確認のような人事訴訟の場合,通常はまずは調停から行うのが一般的だと思いますが,本件では調停を経ずに,訴訟をするように裁判所から案内がありました。
なお,判決では,相手が弁護士をつけず欠席が多かったこと,また当時母親がサインをした直後にアルツハイマー型認知症だとの医者の診断が得られたこと,またサインをした当時母親と相手は離縁していた状態であること等から,養子縁組は無効との判断になりました。