解決事例(相続)

解決事例(相続)8:相続人ではない方からの,遺産の要求

解決事例(相続)

■依頼主 70代 女性

■相談内容
主人が亡くなって,主人のきょうだい(複数名)から,自分にも遺産の取り分があるといって,金銭を要求されている。相続人は妻である自分と自分の子であると認識しているが,金銭の要求に応じる必要があるのか。
相手に呼び出されたり,話をしてくるので,迷惑であるし,怖い。自分の代わりに相手と話をしてもらえないだろうか。

■結果
夫の生前,夫のきょうだいにお世話になったので,依頼者も一定の謝礼(贈与)をすること自体は構わないとのことで,こちらの提示額に応じてくれる方だけに贈与しようという話になり,一部の方には受け取ってもらい,提示額を拒否する方には支払わないこととした。

■コメント
夫が亡くなった場合,妻子がいる場合は,妻子が法定相続人になります。夫のきょうだいが相続人になるのは,夫の子や孫等の直系卑属がいない場合で,かつ夫の親,祖父母等の直系尊属がいない場合です。本件のように夫に子がいる場合,きょうだいは相続人になりませんので,相続分の主張は根拠がありません。
相続人としては理由のない主張は拒否すればよいだけではありますが,依頼者としては夫の生前にお世話になったこともあり,また,そのきょうだいの勢いにのまれそうで,ご自身では対応が難しいようでした。
依頼者によれば,一定額の金銭(謝礼程度)を贈与するのは構わないとのことでしたから,こちらの提示額を受け入れてくれる方には受け取って頂いて,こちらの提案を無視したり提示額を拒否する方には支払いを拒否する姿勢で臨みました。
一部の方は提案を受け入れてくれましたので,その方とは合意書を交わし,一定額の金額を贈与しました。内容としては,一定額の金銭を贈与すること,今後依頼者には一切の連絡をしないこと,また,その他に債権債務がないこと等です。
なお,こちらの提案に応じて頂けない方については,一切の金銭の支払いを拒否する通知を出したところ,その後は相手から特に連絡はありませんでした。