解決事例(不動産問題)

解決事例(不動産問題)8:原状回復請求

解決事例(不動産問題)

■依頼主:30代女性

■相談内容 
かなり古いアパートに数年程度住んでいた。大家さんとは居住中も仲良くしていて、特に問題はなかったが、退去後、間もなくして、家の工事費用として、約70万円程度請求された。見積もりも一緒に送られてきたが、賃料は6万円程度だし、契約書を見ても本当にこれが正当な請求なのかわからない。減額はできないだろうか。

■結果 
大家さんと交渉の結果、約50万円減額してもらうことになり、約20万円の支払いをすることで合意ができた。

■コメント
いわゆる原状回復義務の問題です。国土交通省からも原状回復に関するガイドラインはでているところですが、すべてを理解するのはなかなか難しいと思いますし、いざ自身が賃貸物件を退去するにあたって、管理会社を通じ、原状回復請求をされるとどこまでそれに対応すればよいのか苦慮する場合も多いのではないでしょうか。
賃借人が何も言わないだろうと考え、本来であれば大家さんが負担すべきものを賃借人により多く請求する場合もあるようですから、気を付けたいところです。
その場合、実際にどこまで損傷していたのか、見積もり明細のチェック、契約書のチェック等が必要になります。
本件でも、それらの内容をチェックした上、まずは管理会社に打診したところ、管理会社では対応できないということで大家さんと直接交渉することになりました。大家さんとしても、当方の言い分を理解したようで、結局当初請求額から大幅に減額してもらえました。
なお、その他現実的な問題として、原状回復請求は敷金を返還しないための口実のケースも見受けられます。要は賃借人に原状回復義務があるから、敷金と相殺して、敷金は賃借人には返さないということです。そうなると賃借人としては逆に敷金返還請求を考えなければならない場面もあります。