解決事例(債務整理)

解決事例(債務整理)6:不動産の任意売却(オーバーローンの場合)

解決事例(債務整理)

■依頼者 40代 男性

■相談内容
自宅で使っている土地建物があるが,ローンの支払いがきつい。独身だし,特にその土地建物に住み続けたいということでもないので,不動産を処分したい。
ただ,ローンもまだかなり残っていて,今の不動産の価値を上回ると思う。

■結果
不動産の価値を査定したところ,住宅ローンの残債務をすべて返済できるような不動産価格ではなかった。しかし,金融機関と交渉の結果,一定の金額以上であれば,抵当権抹消に応じてもよいとの判断をいただき,無事,不動産を売却できた。

■コメント
本件は,不動産を処分しても,残債務をすべて返済できない場合,いわゆるオーバーローンのケースです。
普通は,すべて債務が返済されていないのに債権者(金融機関)が抵当権を抹消してくれないと思います。残債務の額が不動産価格より低ければ,その不動産売却によってすべて残債務は返済できますので,金融機関は抵当権の抹消に応じてくれるのです。あるいは,不動産価格のほうが低い場合でも,別途現金を用意して残債務を全額返済するだけの資金が集まれば,金融機関は抵当権を抹消してくれると思います。
では,なぜ金融機関が残債務をすべて返済していないのに抵当権の抹消に応じてくれるのでしょうか。それは債務者の資力に問題が出てくると,今後債務者に破産される可能性があります。仮に破産しても,住宅ローンについて金融機関は当該不動産に抵当権を設定しているのが通常ですから,金融機関が競売を申し立てて,優先的に落札代金から債務の弁済を受けることになります。しかし,競売となると,一般の不動産取引での不動産価格より低くなるのが通常ですから,金融機関は一般の不動産取引で現金化されるよりは損をすることになるのです。
要は,このまま競売になってより低い配当を受けるよりも,よりも高く一般取引で当該不動産を売却して債務を返済してもらえるのであれば,金融機関は得だと判断するのです。