解決事例(不動産問題)

解決事例(不動産問題)4:共有物分割請求

解決事例(不動産問題)

■依頼主:80代男性

■相談内容 
相手と共有のマンションがある。相手からはローンの支払いや管理費の支払いを求められるが、自分が住んでいるわけでもないので、これ以上そのマンションに関与したくない。マンションを売却できないか。

■結果 
相手に対して共有物分割請求ということで、協議を申し入れた。
相手と合意の上、マンションを売却することになり、売却代金からローン残額および諸経費を控除したうえで、剰余金を双方で分配した。

■コメント
共有物の場合、共有者一人の判断では売却はできません。共有者全員の判断が必要です。
依頼当時は相手が売却に応じてくれるかどうか分かりませんので、例えば、相手に依頼者の持分を渡して代償金を受け取る方法も視野には入れていました。実際にマンションは相手が利用していましたので、十分考えられる選択です。
結局、相手も現金を手にしたかったのか、一緒に売却しようという話になりました。
ちなみに話がまとまらないとどうなるか、共有物分割請求で訴訟をする方法はあります。では、実際訴訟になったらどういう結果になるか。もちろん、訴訟になっても和解はありえます。前記のように一緒に売却するとか、一方が完全所有者になって他方に代償金を支払う場合です。
和解にならない場合は、3つの結論が考えられます。①依頼者が完全所有者となって相手に代償金を支払う場合、②相手が完全所有者となって依頼者に代償金を支払う場合、③競売にする場合です。
どれになるかは裁判所次第のところもありますが、例えば、相手がマンションを利用していてその保有を望み、相手方も代償金を支払える能力があるのであれば、②のケースになる可能性が高そうです。例えば、いずれも保有を希望せず、一緒に売却も拒否するのであれば、競売に付される可能性もありそうです。
ただ、競売にすると一般的には売却価格は低くなりますので、普通に話ができる相手なら一緒に任意売却しようという方向で和解ができるのかもしれません。